神楽
福岡県北九州地方から大分県宇佐市までは、古くは豊前の国と言われていました。
旧国名エリアのほぼ中央にあたる福岡県築城町を境に、北九州側の神楽を赤幡系と呼び、宇佐市側の神楽を白幡系として区分されます。
このエリアは宇佐神宮の神仏習合文化を形成した修験道の祈祷術の影響を強く受け、それが現在でも地域に存在する神楽に投影され残されています。
古い伝承記録を持つ団体は国の重要無形民俗文化財に指定されている保存会も多く、豊前岩戸神楽の名称で残っています。
傀儡子
日本の人形劇の原点と言われ、芸能集団の始点と考えられている傀儡子(くぐつ)は、全国でも大分県中津市の古要神社と福岡県吉富町の八幡古表神社にそれぞれ伝承されています。
どちらの傀儡子も国重要無形民俗文化財に指定されており、芸能に使用される木製の神人形は国の重要文化財に指定されています。
磯良の神や住吉大神が強く関わるこの芸能は、海洋民族の文化が投影されていると考えられており、養老4年(720)の隼人の鎮圧にも深く関わったとする記録があります。
修正鬼会
国東半島の六郷満山文化を継承する修正鬼会(しゅじょうおにえ)は、鬼会という密教信仰の祈祷が旧暦正月に奉納されることからこの名称で紡がれています。
国東半島で言う「鬼」とは、人間に幸福をもたらす仏の化身と考えられており、その鬼が人里に降りてくることを表現していると考えられ、国の重要無形民俗文化財に指定されています。